問題解決とその方法の練習問題

出題領域「問題解決とその方法」の練習問題 14 問です。公式の出題率は 35% です。

問題 1

箱ひげ図から読み取れる情報として最も適切なものはどれか。

  1. 1データの時間による変化の様子
  2. 2中央値や四分位数など、データの散らばりの様子
  3. 32 つの変数の間の相関の強さ
  4. 4各カテゴリが全体に占める割合
答えと解説を見る

正解:2. 中央値や四分位数など、データの散らばりの様子

解説

箱ひげ図は、最小値・第 1 四分位数・中央値・第 3 四分位数・最大値を 1 つの図にまとめたもので、データの散らばりの様子を一目で把握できます。複数のグループを並べて描くと、分布の違いを比較するのにも便利です。時間による変化は折れ線グラフ、2 変数の相関は散布図、全体に占める割合は円グラフが適しています。

問題 2

ある都市の月ごとの平均気温が 1 年間でどのように変化したかを見たい。最も適したグラフはどれか。

  1. 1円グラフ
  2. 2ヒストグラム
  3. 3折れ線グラフ
  4. 4帯グラフ
答えと解説を見る

正解:3. 折れ線グラフ

解説

月ごとの平均気温のように、時間の経過にともなう値の変化(時系列データ)を見るには折れ線グラフが適しています。横軸に月、縦軸に気温をとって点を線で結ぶことで、上昇や下降の傾向、季節による変化が読み取りやすくなります。円グラフや帯グラフは全体に対する割合を示すためのグラフ、ヒストグラムは 1 つの変数の分布を見るためのグラフなので、時系列の変化を表すのには向きません。

問題 3

靴屋さんが、次に仕入れる靴のサイズを決めるために過去の販売データを分析したい。このとき最も参考になる代表値はどれか。

  1. 1平均値(すべてのサイズの平均)
  2. 2最頻値(最も多く売れたサイズ)
  3. 3最大値(最も大きいサイズ)
  4. 4中央値と最大値の差
答えと解説を見る

正解:2. 最頻値(最も多く売れたサイズ)

解説

靴のサイズのように「どの値が一番よく出るか」が重要な場面では、最頻値(mode)が最も参考になります。たとえば平均が 25.3 cm だったとしても、25.3 cm の靴が一番売れているとは限りません。実際に最も多く売れたサイズを仕入れるほうが合理的です。このように、代表値は平均値だけでなく、目的に応じて最頻値や中央値を使い分けることが大切です。

問題 4

ある町で 5 日間の最高気温を記録したところ [18, 20, 23, 25, 30](単位: ℃)だった。このデータの範囲(レンジ)はどれか。

  1. 112
  2. 223
  3. 330
  4. 448
答えと解説を見る

正解:1. 12

解説

データの範囲(レンジ)は「最大値 − 最小値」で求めます。このデータでは最大値が 30、最小値が 18 なので、範囲は 30 − 18 = 12 です。範囲はデータの散らばりを表す最も簡単な指標ですが、最大値と最小値しか使わないため、外れ値が 1 つあるだけで大きく変わってしまう点には注意が必要です。誤答のうち、48 は最大値と最小値を足してしまった値、23 は中央値、30 は最大値そのものです。

問題 5

標準偏差の説明として最も適切なものはどれか。

  1. 1データの中で最も大きい値のこと
  2. 2データが平均のまわりにどれくらい散らばっているかを表す指標
  3. 3データを小さい順に並べたときの真ん中の値のこと
  4. 4データの個数のこと
答えと解説を見る

正解:2. データが平均のまわりにどれくらい散らばっているかを表す指標

解説

標準偏差は、データが平均のまわりにどれくらい散らばっているかを表す指標です。標準偏差が小さいほどデータは平均の近くに集まっており、大きいほど広く散らばっています。たとえば 2 つのクラスの平均点が同じ 70 点でも、標準偏差が小さいクラスは全員が 70 点前後、大きいクラスは高得点と低得点に分かれている、といった違いを読み取れます。最も大きい値は最大値、真ん中の値は中央値、データの個数は度数(またはデータ数)と呼びます。

問題 6

「文化祭の来場者を昨年より増やしたい」という課題に取り組むとき、最初に行うべきこととして最も適切なものはどれか。

  1. 1とにかく思いついた宣伝方法をすべて実行する
  2. 2現状を調べて、何が問題なのかを明確にする
  3. 3結果だけを先に決めて報告書を書く
  4. 4昨年と同じことをそのまま繰り返す
答えと解説を見る

正解:2. 現状を調べて、何が問題なのかを明確にする

解説

問題解決では、最初に「現状を調べて、何が問題なのかを明確にする」ことが大切です。たとえば昨年の来場者数の記録やアンケートを分析し、「どの時間帯が少ないのか」「そもそも文化祭が知られていないのか」など、問題を具体的にします。問題が明確になってはじめて、効果的な解決策を考え、実行し、結果を評価するという流れに進めます。やみくもに行動したり、結論を先に決めたりすると、労力が的外れになりがちです。

問題 7

シミュレーションを行う前に、現実の複雑な現象から本質的な要素だけを取り出して単純化した形で表現することを何と呼ぶか。

  1. 1モデル化
  2. 2デバッグ
  3. 3インストール
  4. 4バックアップ
答えと解説を見る

正解:1. モデル化

解説

現実の複雑な現象から、目的に必要な本質的要素だけを取り出して単純化して表現することを「モデル化」と呼びます。たとえばレジの行列をシミュレーションするとき、「客が来る間隔」と「1 人あたりの会計時間」だけに注目し、客の服装や天気など関係の薄い要素は省略します。よいモデルを作ることがシミュレーションの精度を左右します。デバッグはプログラムの誤りを取り除く作業、インストールはソフトウェアの導入、バックアップはデータの複製保存のことです。

問題 8

サイコロを振るシミュレーションを作るため、1 以上 6 以下の整数をランダムに得たい。正しいコードはどれか。なお、import random は実行済みとする。

  1. 1random.random()
  2. 2random.int(1, 6)
  3. 3random.randint(1, 6)
  4. 4random.dice()
答えと解説を見る

正解:3. random.randint(1, 6)

解説

random.randint(1, 6) は 1 以上 6 以下の整数を等しい確率でランダムに返すため、サイコロのシミュレーションに使えます。randint(a, b) は a と b の両方を含む点が特徴です。random.random() は 0 以上 1 未満の小数を返す関数なので整数のサイコロには使えません。random.int()random.dice() という関数は random モジュールには存在しません。

問題 9

次のコードは、クラスで行った「好きな果物」の投票を集計するものである。出力はどれか。

votes = ["melon", "apple", "melon", "grape", "melon"]
count = {}

for v in votes:
    if v in count:
        count[v] = count[v] + 1
    else:
        count[v] = 1

print(count["melon"])
  1. 11
  2. 22
  3. 33
  4. 45
答えと解説を見る

正解:3. 3

解説

このコードは、辞書 count を使って果物ごとの票数を数えています。リスト votes の中を順に見ていき、すでに辞書にある果物なら票数に 1 を足し、初めて出てきた果物なら 1 として登録します。"melon" はリストに 3 回登場するので、count["melon"] は 3 になります。このように「辞書でデータの出現回数を数える」処理は、アンケート集計などデータ分析の場面でよく使われる基本パターンです。

問題 10

全校生徒 1,000 人の睡眠時間を調べたいが、全員に聞く時間がないため、無作為に選んだ 100 人に調査を行った。このような調査方法を何と呼ぶか。

  1. 1全数調査
  2. 2標本調査
  3. 3追跡調査
  4. 4国勢調査
答えと解説を見る

正解:2. 標本調査

解説

調査対象の全体(母集団)から一部を選んで調べ、全体の傾向を推測する方法を「標本調査」と呼びます。全員を調べる全数調査に比べて時間や手間を大幅に減らせるのが利点です。ただし、標本の選び方に偏りがあると正しい推測ができないため、無作為に選ぶことが重要です。全数調査は全員を調べる方法で、国勢調査はその代表例です。追跡調査は同じ対象を時間をおいて繰り返し調べる方法を指します。

問題 11

アンケートの回答データに「埼玉県」「埼玉」「さいたま」のように同じ意味の表記が混ざっていた。集計の前に行うべき処理として最も適切なものはどれか。

  1. 1表記を 1 つのルールに統一する
  2. 23 種類を別々の県として集計する
  3. 3混ざっている回答をすべて削除する
  4. 4そのまま集計しても結果は変わらないので何もしない
答えと解説を見る

正解:1. 表記を 1 つのルールに統一する

解説

同じ意味なのに書き方が異なるデータ(表記ゆれ)は、集計の前に 1 つのルールに統一するのが基本です。そのまま集計すると「埼玉県」「埼玉」「さいたま」が別々に数えられ、実際より少ない件数に分散してしまいます。このようにデータを分析できる状態に整える作業を前処理(データクリーニング)と呼び、分析結果の信頼性を支える重要な工程です。意味が読み取れる回答を削除するのはデータの無駄づかいになります。

問題 12

「アイスクリームの売上が多い日は、水の事故も多い」という相関が見つかった。この解釈として最も適切なものはどれか。

  1. 1アイスクリームを食べると泳ぎが下手になるので、事故が増える
  2. 2水の事故のニュースを見るとアイスクリームを買いたくなる
  3. 3気温という共通の要因が両方を増やしている可能性を考える
  4. 4相関があるので、アイスクリームの販売を規制すべきである
答えと解説を見る

正解:3. 気温という共通の要因が両方を増やしている可能性を考える

解説

アイスクリームの売上と水の事故には直接の因果関係はなく、「気温が高い」という共通の要因(第 3 の変数)が両方を増やしていると考えられます。気温が高い日はアイスクリームがよく売れ、同時に水辺で遊ぶ人も増えるため事故も増えるのです。このように、相関関係があっても因果関係があるとは限りません。相関だけを根拠に「販売を規制すべき」といった対策を立てると、的外れな結論になってしまいます。

問題 13

1 組(40 人)の平均点は 60 点、2 組(20 人)の平均点は 90 点だった。2 クラス全体(60 人)の平均点を求める方法として正しいものはどれか。

  1. 1(60 + 90) ÷ 2 = 75 点
  2. 2(60 × 40 + 90 × 20) ÷ 60 = 70 点
  3. 390 − 60 = 30 点
  4. 4人数が違う場合、全体の平均は計算できない
答えと解説を見る

正解:2. (60 × 40 + 90 × 20) ÷ 60 = 70 点

解説

人数が異なるクラスの平均をまとめるときは、単純に平均同士を平均してはいけません。まず各クラスの合計点(平均 × 人数)を求めてから、全体の人数で割ります。1 組の合計は 60 × 40 = 2,400 点、2 組の合計は 90 × 20 = 1,800 点で、全体では (2,400 + 1,800) ÷ 60 = 70 点です。人数の多い 1 組の影響が大きくなるため、単純平均の 75 点よりも低くなります。これは加重平均と呼ばれる考え方です。

問題 14

新しい遊園地のチケット売り場の窓口の数を決めるために、コンピュータでシミュレーションを行うことにした。シミュレーションを使う利点として最も適切なものはどれか。

  1. 1シミュレーションの結果は現実と必ず一致する
  2. 2実際に建設して試すことなく、条件を変えながら何度も試せる
  3. 3シミュレーションを使うと、乱数を使う必要がなくなる
  4. 4一度実行すれば、二度と実行する必要がない
答えと解説を見る

正解:2. 実際に建設して試すことなく、条件を変えながら何度も試せる

解説

シミュレーションの大きな利点は「実際に試すことが難しいことを、条件を変えながら何度も安全に試せる」ことです。窓口を 2 つ、3 つ、4 つと変えて待ち時間がどう変わるかを、実際に建設する前に比較検討できます。ただし、シミュレーションはモデル化した範囲での予測にすぎず、結果が現実と必ず一致するわけではありません。客の到着のばらつきを表すためにむしろ乱数を活用することが多く、条件を変えて繰り返し実行してこそ価値があります。