1. プログラミングを始めよう!
みなさん、プログラミングの世界へようこそ!この章では、プログラミングの基礎を学び、実際にPythonでコードを書いていきます。難しく考える必要はありません。一緒に楽しみながら学んでいきましょう。
1.1 プログラミングって何?身近な例で考える
プログラミングは、コンピュータに「やってほしいこと」を伝える方法です。例えば:
- スマートフォンのアラーム設定は「決まった時間に音を鳴らす」という指示
- 家の電子レンジは「設定した時間だけ温める」という指示
- ゲームのキャラクターは「上ボタンを押したら上に移動する」という指示
つまり、私たちの身の回りには、すでにたくさんのプログラムが存在しているんです!
人間の言葉とコンピュータの言葉
人間同士なら「おはよう」と言えば伝わりますが、コンピュータは特別な言葉(プログラミング言語)で指示を出す必要があります。でも心配いりません。基本的な文法さえ覚えれば、誰でも書けるようになります。
1.2 高校生が学ぶ言語として Python を選ぶ理由
Pythonは、世界中で人気の高いプログラミング言語です。高校生の最初の言語としてPythonを選ぶ理由は以下の通りです:
-
読みやすい・書きやすい
- 英語に近い簡単な命令文で書ける
- 余計な記号が少なく、シンプル
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幅広い用途
- データ分析や統計処理(数学の応用に最適!)
- AI(人工知能)や機械学習
- Webサイトの作成
- ゲーム開発
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充実した学習環境
- 無料で使える
- 日本語の教材が豊富
- エラーメッセージが分かりやすい
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将来性
- 大学での研究でよく使用される
- IT企業での採用実績が多い
- 情報入試でも扱われる
1.3 ブラウザで簡単に実行&共有!Google Colab の使い方
Google Colabは、特別なソフトをインストールしなくても、ブラウザ上でPythonを実行できる便利なツールです。
Google Colabの始め方
- Googleアカウントにログインする
- ブラウザで「Google Colab」を検索
- 「新しいノートブック」をクリック
基本的な使い方
- コードセルに命令を入力
- 実行ボタン(再生マーク)をクリック、または「Shift + Enter」
- 結果が下に表示される
- ノートブックは自動で保存
- 友達とURLで共有可能
1.4 print 関数で文字や数字を表示してみる
いよいよ最初のプログラミングです!まずはprint
関数を使って、文字や数字を表示してみましょう。
print 関数で文字や数字を表示する
# 文字を表示する
print("Hello, World!") # Hello, World! と表示されます
print("私の名前は太郎です") # 日本語もOK!
# 数字を表示する
print(42) # 42 と表示されます
printのルール
- 文字列は「"」(ダブルクォート)か「'」(シングルクォート)で囲む
- 数字はそのまま書く
- カンマで区切って複数の値を表示できる
print 関数で文字や数字を表示する
print("私の年齢は", 16, "歳です")
1.5 四則演算とそれ以外のいろいろな計算
Pythonは電卓としても使えます。基本的な計算をマスターしましょう。
四則演算とそれ以外のいろいろな計算
# 基本的な四則演算
print(5 + 3) # 足し算: 8
print(5 - 3) # 引き算: 2
print(5 * 3) # 掛け算: 15
print(5 / 3) # 割り算: 1.6666...
# その他の計算
print(5 ** 2) # べき乗(5の2乗): 25
print(10 % 3) # 余りを求める: 1
print(10 // 3) # 整数の商を求める: 3
計算の優先順位
数学と同じように、掛け算・割り算は足し算・引き算より先に計算されます。
計算の優先順位
print(2 + 3 * 4) # 14 (3*4=12 が先に計算される)
print((2 + 3) * 4) # 20 (カッコ内が先に計算される)
1.6 コメントを書いてコードを読みやすくする
コメントは、プログラムの説明を書く場所です。コードを理解しやすくする大切な要素です。
コメントを書いてコードを読みやすくする
# これは1行コメントです
print("Hello") # 行の途中にも書けます
'''
これは
複数行の
コメントです
'''
良いコメントの書き方
- 何をしているのか分かりやすく説明する
- 難しい処理の理由を書く
- あとで見返したときに分かるようにする
- 日本語で書いてOK!
1.7 プログラムを実行する流れを理解しよう
プログラムは基本的に上から順番に実行されます。
プログラムを実行する流れを理解しよう
# 1番目に実行
print("おはよう!")
# 2番目に実行
print("今日も頑張ろう!")
# 3番目に実行
print("計算をします")
print(3 * 4)
プログラムの実行の特徴
- 一行ずつ順番に実行される
- エラーが起きた行で停止する
- コメントは実行されない
- 空行は無視される
課題 1. 自分の名前や好きなものを表示する自己紹介プログラム
実際に自己紹介プログラムを作ってみましょう!
自己紹介プログラムの例
# 自己紹介プログラムの例
print("━━━ 自己紹介 ━━━")
print("名前:山田太郎")
print("年齢:16歳")
print("好きな教科:数学、情報")
print("趣味:バスケットボール")
チャレンジ!
- 自分の情報に書き換えてみよう
- 好きな食べ物や将来の夢なども追加してみよう
- 区切り線を別の文字に変えてみよう
課題 2. 表示メッセージを変えたり、計算結果を表示したりして試してみる
学んだことを組み合わせて、オリジナルのプログラムを作ってみましょう!
1日の予定を計算するプログラム
# 1日の予定を計算するプログラム
print("━━━ 1日の予定時間 ━━━")
print("学校:", 6, "時間")
print("部活:", 2, "時間")
print("勉強:", 3, "時間")
print("━━━━━━━━━━━━━━━")
print("合計時間:", 6 + 2 + 3, "時間")
チャレンジ!
- 自分の1日の予定を入れてみよう
- 睡眠時間を追加して24時間から引いてみよう
- 1週間の予定を計算してみよう
まとめ
この章では、プログラミングの基本と、Pythonでの最初の一歩を学びました。 難しく感じることもあるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。 プログラミングの世界には、まだまだ面白いことがたくさん待っています!
次の章では、変数について学んでいきます。データを保存して、もっと複雑な処理ができるようになりますよ!