新屋高校 Python 入門講座 2026

ARAYA HIGH SCHOOLHIGH SCHOOL PYTHON

Python でミニ診断プログラムを作ろう

Python で「表示・記憶・入力・判断」を体験します。結果を決めるのは、自分で書いた条件とルールです。最後は質問と結果を改造して、自分のプログラムとして完成させます。

対象
高校 1 年生
時間
110 分休憩 10 分を含む
実行環境
Google Colab

今日のゴール

講座が終わるころには、次の 3 つができるようになります。

  1. Google Colab で Python を実行できる
  2. input()if / elif / else で、入力によって結果を変えられる
  3. 質問または結果を自分で変更し、そのルールを説明できる

今日のコードは、ここから広がる

今日作るのは小さな診断ですが、input() で入力を受け取り、変数に覚え、if で動きを変える仕組みは、いろいろな作品の土台です。これは新しい課題ではありません。4 つの例から、いつか作ってみたいものを 1 つ探してみましょう。

動かして確認

今日の診断は、こんな作品へ育てられる

Python で作れる 4 つの作品例
どの作品も、最初は「入力を記憶し、条件で判断し、結果を出す」ことから始まります。気になるカードを選ぶと、今日のコードとのつながりが見えます。

タイムスケジュール

時刻内容完成するもの
9:45〜9:50オープニング作ってみたい作品を探す
9:50〜10:00Colab を開く・最初の実行最初のメッセージ
10:00〜10:15print と変数診断名とチーム名を表示
10:15〜10:30input と条件分岐1 問版の診断
10:30〜10:45カスタマイズ自分だけの質問・結果
10:45〜10:55休憩動かない端末もここで復旧
10:55〜11:00復旧・短い振り返り全員で同じ地点から再開
11:00〜11:151 問版を完成・動作確認動く自分のプログラム
11:15〜11:25作品共有変更したルールを説明
11:25〜11:30講師による AI 開発デモ開発の流れを見学
11:30〜11:35振り返り次の学習への一歩

0. Google Colab を準備しよう

Google Colab は、ブラウザ上で Python を実行できるサービスです。インストールは必要ありません。

Google Colab で教材をコピーし、指定されたコードセルを実行して、セル下の出力を確認する 3 段階の図
①教材を自分のドライブへコピー、②講師が指定したセルを実行、③セルの下に出た結果を確認します。入力欄が出たときは、答えを入れて Enter を押します。

Colab が開いたら、上のメニューから 「ファイル」→「ドライブにコピーを保存」 を選びます。自分のコピーが開いたことを確認してから、講師が案内するセルだけを順番に実行してください。

予備ボタンで教材ファイルを保存した場合は、Google Colabを開き、「ファイル」→「ノートブックをアップロード」 から保存したファイルを選びます。

1. Python に話してもらおう

最初に、Python へ文字を表示させます。コードセルへ次の 1 行を書き、実行ボタンを押すか、Shift + Enter を押してください。

最初の Python プログラム

print("🐍 新屋高校 Python 入門講座へようこそ!")

print() は、かっこの中の文字や数字を画面に表示する関数です。

動かして確認

print の値が画面に表示されるまで

  1. 1print("Hello, World!")未実行
  2. 2print(42)未実行
  3. 3print("私は", 16, "歳です")未実行
「次の行を実行」を押すと、最初の print から順番に確認できます。

コンソール出力

まだ出力はありません。
まだコードを実行していません。
「次の行を実行」で、引数の種類とコンソール出力の対応を確認できます。

ミッション 1

引用符の中を好きなメッセージへ変えて、もう一度実行しましょう。

メッセージを書き換える

print("Pythonで自分のプログラムを作ろう!")

SyntaxError が出たら、左右の引用符と、最後のかっこを確認します。エラーは失敗ではなく、Python からのヒントです。

2. 変数にデータを覚えてもらおう

プログラムでは、値に名前を付けて覚えておけます。この名前が「変数」です。

診断名とチーム名を変数へ入れる

program_name = "新屋高校 プログラミングスタイル診断"
team_name = "Pythonチーム"

print(program_name)
print("制作:", team_name)

動かして確認

変数へ値を代入する流れ

x = 42
値 42 が変数 x に代入されました。
値を変数へ代入すると、後から変数名を使って同じ値を参照できます。

ミッション 2

program_nameteam_name の引用符の中を変更して、自分で決めた名前が表示されることを確認します。

3. 入力によって結果を変えよう

input() を使うと、プログラムの実行中にキーボードから文字を入力できます。入力した値は変数へ入ります。

1 問版の診断プログラム

answer = input("新しい課題が出たら? 1: まず試す / 2: 説明を読む → ")

if answer == "1":
    print("🚀 まず試してみるタイプ")
elif answer == "2":
    print("🗺️ じっくり考えるタイプ")
else:
    print("1か2を半角で入力してください")

input() で受け取る値は文字列なので、数字の 1 ではなく、引用符で囲んだ "1" と比較します。== は「左右の値が同じか」を調べる比較演算子です。

入力した answer を if・elif・else で上から判定し、対応する print へ進むアルゴリズム図
アルゴリズムは、入力を受け取り、条件を上から確かめ、最初に当てはまった結果を返す「手順」です。

動かして確認

入力から結果まで、条件分岐をたどろう

input() に入力する値
入力された値answer = "1"
  1. if answer == "1":print("🚀 まず試してみるタイプ")
    次に確認
  2. elif answer == "2":print("🗺️ じっくり考えるタイプ")
    待機
  3. else:print("1か2を半角で入力してください")
    待機

INPUT

回答を変数 answer へ記憶

"1"

JUDGE

if answer == "1"

answer と右側の値が同じか確認します。

RESULT

条件を判定すると、ここに print の結果が表示されます。

Python は条件を上から確認し、最初に当てはまった 1 つだけを実行します。AI が答えを考えているのではなく、書いたルールどおりに動いています。

input で「1」を受け取りました。まだ条件は判定していません。
回答を選び、「次の条件を判定」で if → elif → else の順番を追ってみましょう。最初に当てはまった分岐で結果が決まります。

ミッション 3:入力を変えて試そう

同じセルを 2 回実行し、入力によって結果が変わることを確認します。

  1. 1 を入力 → 「まず試してみるタイプ」
  2. 2 を入力 → 「じっくり考えるタイプ」

余裕がある人は、3 も入力して else の表示を確認します。

期待と違う結果になったら、引用符、==、行末のコロン、インデントを確認します。

4. 自分だけの 1 問診断へ改良しよう

新しいセルは作らず、実行③のセルをそのまま書き換えます。まずは Level 1 か Level 2 のどちらかを選び、自分でコードを変更します。

1 問診断で、変更してよい質問文と結果文、残すべき条件分岐の骨組みを色分けした概念図
最初は引用符の内側だけを一か所ずつ変えます。if / elif / else、==、行末のコロン、行頭の字下げは、プログラムの骨組みとして残します。

Level 1:結果の文章と絵文字を変える

表示するメッセージを変更

print("⚡ ひらめいたらすぐ動くタイプ")

Level 2:質問と選択肢を変える

質問を変更

answer = input("休み時間は? 1: 友達と話す / 2: 静かに過ごす → ")

質問を変えたら、結果の文章も質問に合うように変えます。「休み時間は?」と聞くなら、結果も「💬 コミュニケーションタイプ」「📚 集中タイプ」のように、答えとつながる言葉にします。

発展 Level 3:3 つ目の選択肢を追加する

質問の選択肢に 3 を足し、elif を 1 つ追加します。

選択肢と条件を 1 つ追加

answer = input("休み時間は? 1: 友達と話す / 2: 静かに過ごす / 3: 日による → ")

if answer == "1":
    print("💬 コミュニケーションタイプ")
elif answer == "2":
    print("📚 集中タイプ")
elif answer == "3":
    print("🌿 気分で選ぶタイプ")
else:
    print("1・2・3のどれかを入力してください")

休憩

10:45〜10:55 は休憩です。休憩中は画面から離れて、目と頭を休めます。動かなくなった人は、後半開始時に Notebook の「復旧セル」を実行します。

5. 1 問版を確実に完成させよう

後半では新しい文法を一斉に増やしません。前半で作った 1 問版を、全員が動かせる状態へ戻してから、自分の作品として仕上げます。

復旧セル(後半スタート用の完成版)

program_name = "新屋高校 プログラミングスタイル診断"

answer = input("新しい課題が出たら? 1: まず試す / 2: 説明を読む → ")

if answer == "1":
    print("🚀 まず試してみるタイプ")
elif answer == "2":
    print("🗺️ じっくり考えるタイプ")
else:
    print("1か2を半角で入力してください")
  • 前半の自分の作品が動いている人:そのまま質問や結果を整える
  • 動かなくなった人:Notebook の「復旧セル」を実行する
  • ログインできない人:先生へ知らせ、講師画面のコードを読みながら流れを確認する
コードを一か所変更し、結果を予想して実行し、違いを直して再実行するプログラミングの循環図
変更したら、1・2・それ以外を順に試し、予想と結果を比べます。違えば一か所直して、もう一度実行します。

ミッション 4:自分の診断を全パターン試そう

  1. 12 を順番に入力し、結果を確認する
  2. 3 などそれ以外の値も入力し、else の表示を確認する
  3. 「この入力なら、この条件を通って、この結果になる」と説明できるか確かめる

6. 作品を共有しよう

2〜3 人の作品をスクリーンで見ます。発表する人は、次の形で短く紹介します。

私は「○○」という質問に変えました。1 なら「○○」、2 なら「○○」と表示します。

見る人は、質問、選択肢、結果のどこが工夫されているかを探します。

7. 講師デモ:開発者は AI をどう使うか

皆さんが作った 1 問版と同じ小さな教材用コードを使い、普段の開発の流れを見ます。

  1. 人が目的を決める:3 つ目の選択肢を追加したい
  2. AI が変更案を出す:コードの差分を提案する
  3. 人が差分を読む:質問文と elif が合っているか確認する
  4. 実行して確かめる123 を入力してテストする

このデモの変更は、発展 Level 3で皆さんが手で書いたものと同じです。Level 3 に挑戦した人は、自分の書き方と AI の差分を見比べてみましょう。

動かして確認

AI と一緒に作るときも、人がハンドルを握る

開発の 4 ステップ
が担当

STEP 1

目的を決める

作りたいものと、変えてはいけない条件を言葉にします。

最初のハンドルは、人が握ります。

人が書いた依頼メモ

やりたいこと

1 問診断に「3:近くの人に相談する」という選択肢を追加したい。

変えてはいけないこと

すでに動いている12の質問・結果はそのままにする。

ステップ 1、人が担当する「目的を決める」を表示しています。最初のハンドルは、人が握ります。
AI の出力は完成品ではありません。目的を決め、差分を読み、実行して確かめるところまでが開発です。

8. 今日の振り返り

今日使った 3 つの考え方を、最後に確認します。

Python今日のプログラムでの役割
print() と変数名前や結果を記憶・表示する
input()キーボードから回答を受け取る
if / elif / else回答によって結果を変える

できたらチェック

  • □ Python のセルを自分で実行できた
  • □ 変数の値や表示する文章を変更できた
  • input() へ入力し、条件によって結果を変えられた
  • □ 質問または結果を変え、そのルールを説明できた
コードを書いて実行し、条件分岐を組み合わせた作品から自動化・データ分析・Web アプリへ学びがつながる道筋の図
今日できた「コードを書いて実行する」「入力で動きを変える」は、自動化・データ分析・Web アプリへ進む最初の一歩です。

発展:3 問版の診断プログラム

ここから先は、早く完成した人や授業後に続きを試したい人向けです。全員が授業中に終える必要はありません。

リストに 3 つの質問をまとめ、for で順番に尋ねます。1 を選んだ回数を score へ数え、最後に条件分岐で結果を決めます。

score を 0 にしてから 3 つの質問を for で順番に処理し、1 を選んだ回数を数えて、繰り返し終了後に 1 つの診断結果を決める処理フロー図
score を 0 から始め、3 問を 1 つずつ繰り返します。1 を選んだときだけ 1 を足し、3 問すべてが終わってから score に応じた結果を 1 つ決めます。

発展:3 問版をまとめて実行する

program_name = "新屋高校 プログラミングスタイル診断"
questions = [
    "新しい課題が出たら? 1: まず試す / 2: 説明を読む → ",
    "行事の準備では? 1: アイデアを出す / 2: 手順を整理する → ",
    "難しい問題では? 1: 誰かと話す / 2: 一人で調べる → ",
]

score = 0

for question in questions:
    answer = input(question)
    if answer == "1":
        score = score + 1

if score == 3:
    result = "🚀 トライタイプ"
elif score == 2:
    result = "⚖️ バランスタイプ"
elif score == 1:
    result = "🗺️ プランタイプ"
else:
    result = "🔎 リサーチタイプ"

print(program_name)
print("診断結果:", result)

動かして確認

3 つの質問に答えて、条件分岐を動かそう

回答済み:0 / 3

質問 1新しい課題が出たら?

未回答

質問 2行事の準備では?

未回答

質問 3難しい問題に出会ったら?

未回答

answers = [None, None, None]
score = 0

for answer in answers:
    if answer == "1":
        score = score + 1

if score == 3:
    result = "🚀 トライタイプ"
elif score == 2:
    result = "⚖️ バランスタイプ"
elif score == 1:
    result = "🗺️ プランタイプ"
else:
    result = "🔎 リサーチタイプ"

print(result)

新屋高校・プログラミングスタイル診断

回答状況Q1 未回答Q2 未回答Q3 未回答

あと 3 問です

1 か 2 を選ぶと、Python のリストの値も変わります。

0 問回答済みです。あと 3 問選ぶと診断結果を表示します。
この診断は条件分岐を学ぶための遊び用プログラムです。性格・能力・進路を判定するものではありません。

発展ミッション

  • 3 つの質問のうち 1 つを変える
  • タイプ名や絵文字を変える
  • 入力する前に、どの結果になるか予想する

困ったときの確認表

症状確認すること
何も表示されないセル左側の実行ボタンを押したか
入力待ちのまま止まる入力欄へ 12 を入れ、Enter を押したか
SyntaxError引用符・かっこ・行末のコロンが揃っているか
IndentationErrorif の内側が半角スペース 4 つ分下がっているか
NameError変数名のつづりと大文字・小文字が同じか
発展版の結果が違うscore = 0 を含む発展セルを最初から実行し直したか
講師・先生向けの当日運営メモ
  • 前日までに、生徒と同じ設定の学校アカウントで Colab が有効か、18 歳未満の生徒が追加サービスを使うための学校側の同意手続きが済んでいるかを確認する

  • 開始前に、実際の教室・学校回線・生徒用端末で教材ページから Notebook を開き、ドライブへのコピーと最初のセル実行まで確認する

  • 原本は運営の Google ドライブに閲覧専用リンクで置き、生徒全員が同じ共有 Notebook を編集するのではなく、各自の Google ドライブへコピーしてから開始する

  • 160 名を 4 ゾーン程度に分け、各ゾーンの質問対応者を決める
  • Notebook 内の固定名「実行①」「実行②」「実行③」「復旧セル」「発展セル」を講師・先生で統一し、現在地を画面上部へ常に投影する

  • 標準 CPU ランタイムだけを使い、GPU、Google ドライブのマウント、外部ライブラリのインストールは行わない
  • 10:45 までに全員が 1 問版の条件分岐を完成することを必須ゴールにする
  • 後半開始時に、動かない人だけ「復旧セル」へ切り替える
  • 3 問版は早く完成した人向けとし、全員一斉の追加課題にしない
  • 共有リンクから開けない場合は「予備:教材ファイルを保存」からアップロードし、Colab 自体が使えない端末は個人アカウントを作らせず、講師画面のコードを読みながらの参加へ切り替える

  • 取材撮影は 11:00〜11:25 の作品完成・動作確認・共有に合わせ、AI デモ前に Python を主役として撮る
  • 撮影時は Google アカウント欄を隠し、コードと実行結果が同じ画面に見えるようにする
  • AI デモは進行に余裕がある場合だけ 11:25〜11:30 に行い、遅れた場合は作品完成を優先して省略する
  • AI への依頼例は「この 1 問診断に 3 つ目の選択肢を追加してください。既存の 1 と 2 の動作は変えず、変更箇所を差分で示してください」とし、差分確認から 3 入力のテストまで見せる

  • AI の会話画面だけで終わらせず、エディタ・差分・実行結果を中心に映して、Python を理解しているから提案を判断できると結ぶ

  • AI デモは教材専用ファイルで行い、通知・AI 履歴・Git 情報・顧客情報を映さない。通信障害用の短い録画も用意する

  • 通信が不安定な端末は、講師画面のコードを読みながら継続する